憎むものを抱きしめる



誰かに言われた言葉、
自分を翻弄する社会、
生きていれば
何かを憎むことが
あるかと思います。
怒って、悲しんで、憎んで。
初めのうちに湧いてくるのは
自分のなかだけですが、
そのうち人や対象物など
特定のものに怒りや憎しみの
エネルギーを発してしまうことがあります。
するとどうでしょうか、
憎しみにご自身が
乗っ取られてしまうのです。
純粋で美しい水が流れる貴方様の体に
怒りと憎しみで沸沸した水が
身体中をめぐるのです。
その水は身体中の細胞をめぐるでしょう。
そしてさらにあなた様自身を
傷つけることでしょう。
怒ってもいい、
悲しんでもいい。
ただご自身の身体の水が
誰も触れられないほど
熱くなって乾いてしまわぬように、
あなた様に流れる水が
憎しみで澱んで(よどんで)しまわぬように
どうか、包んであげてください。
あなた様に怒りや憎しみを
もたらした人、社会、対象物を
包み込んでください。
包み込むというのは
頭の中で抱きしめるイメージです。
「憎い相手を抱きしめるなんて
出来るわけがない。」
そう思われることと思います。
ここで相手や対象物を抱きしめるのは
あなた様自身の痛みを
抱きしめるためです。
ご自身の痛みだけでなく
相手や対象物を抱きしめることで
きっとあなた様のなかの
怒りや悲しみはなくなり、
代わりに苦を取りのぞく
慈しみの心が生まれるでしょう。
いつまでも
あなた様を苦しめるているのは
相手や対象物による言葉、
状況ということはもちろんですが、
怒り、悲しみ、憎しみという
ご自身の感情そのものが
あなた様を苦しめているのです。
相手や対象物が存在し続ける限り
あなた様は怒り悲しみ続ける、
そしてその感情を持ち続けることが
何よりもあなた様自身を
苦しめることになるです。
その感情をもたらす痛みの象徴である相手、
対象物を抱きしめることは
あなた様自身の苦しみを抱きしめ
取りのぞくことに繋がります。
抱きしめたのちには、
心が温かくなり
涙あふれる不思議な感情が湧くでしょう。
そこであなた様は初めて
苦しみを抱いていた
あなた様ご自身を抱きしめるのです。
憎むのは簡単です、
しかし
苦しいものです。
愛するのは、
慈しむのは難しいです、
しかし
温かく心地よいものです。
あなた様の心に
平穏があることを、
そして
憎しみを包み込むものがあることを
ご存知いただけたら
私は幸せです。

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